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廃棄物の環境負荷調査?研究で持続可能な発展を…(吉田 秀典)

産業廃棄物の不法投棄で揺れた「豊島問題」は、汚染物質が海に流れ出て魚介類まで広く影響が及ぶのではないかといった懸念など環境について多くの示唆を私たちに与えましたが、今や現実問題として廃棄物を排出しない生活は考えられません。しがたって、わが国では資源やエネルギー(特に化石燃料)の使用や廃棄物を減らし、環境の保全と再生を最優先する方向へ社会を転換していくアクション、すなわち「持続可能な発展」を目指しております。

環境の保全という流れの中で、吉田研究室では、「処分された廃棄物が土壌や地下水などに与える負荷に関する研究」に取り組んでいます。特に、廃棄物を囲むコンクリートや地盤の変形と水分の動きに注目し、独自に開発した透水試験機と透水試験方法(特許公開番号:特開 2008-46086,発明の名称:透水試験機および透水試験方法、写真1)を活用して独創性に富んだ研究を進めています。

写真1 平面ひずみ圧縮載荷同時透水試験機
廃棄物環境負荷調査?透水試験機

 

写真2および写真3は、斜め方向に亀裂を有する供試体(石膏と砂を混合した人工供試体)に対して、側方から一定圧を加え上方から加圧する際に、前面方向から背面方向に蛍光塗料で着色した水を流し、試験後に供試体にブラックライトを当てて撮影したものです。供試体は載荷と共に変形しますが、亀裂を有する供試体では亀裂が滑動を生じます。このため水の流れが亀裂部に集中します。試験では、前面下方にあるチューブから水を注入し、背面上方にあるチューブから水を排出します。そのため、前面(写真2)では下方が発光し、その範囲は亀裂部まで及んでおります。一方、背面(写真3)では亀裂部より上方のみが発光しております。

載荷にともなって材料中の亀裂が変形し、亀裂部へ水の流れを卓越させることが可能な試験装置は、国内外において当研究室で開発した装置のみであります。開発試験装置を用いることで、これまでは不可能であった亀裂、割れ目などを包含する地盤やコンクリートなどにおける浸透挙動の評価をより的確に行うことができます。

写真2 流動状況(亀裂あり、流入面)
廃棄物環境負荷調査?流動状況(流入面)

写真3 流動状況(亀裂あり、流出面)
廃棄物環境負荷調査?流動状況(流出面)

 

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